1950年代に開発され、その有効性から現在も世界各地で利用されているフローテーションタンク。フローテーションタンクとは外部からの情報を遮断する事により、ストレスを解消する等、様々な精神、身体的効果を得られるとされているものです。
日常と非日常_。
リゾートのスペシャリストである私たち那須倶楽部は、日常と非日常のバランスがいかに大切かを様々な事例を持って知っています。またそのことから、すまいはただ日常を過ごす箱ではなく、日々の営みから心と身体を開放する「非日常−リゾート」という要素が必要と考えています。
今回の「作品」は、夫婦共に日常を慌しく過ごすオーナーが家で過ごせる限られた時間をいかに寛げるかを要点として、プランニングを行ないました。住宅地という制約の多い環境下での私たちの提案は、家族で過ごす空間を高い位置に配置し、そこで得られる浮遊感により非日常を演出するというものでした。菊竹清訓による近代住宅の名作「スカイハウス」を例に挙げるまでも無く、遮られる事の無い視界から得られる開放感や高さが生み出す浮遊感はオーナーと家族に寛ぎの時間を作り出すことでしょう。
この「作品」は日常のストレスから心と身体を開放するフローテーションタンクからイメージされた、言わばフローティング・リビングと言うべき空間を持つすまいとなっています。
Relaxation Area - リラクゼーションエリア
玄関に車を横付け出来るカーポート、アッパーライトで演出する大谷石の玄関、シンボルツリーが季節を彩る中庭、プロジェクターで映画を楽しめるウォールスクリーン等、様々な趣向を凝らしたリラクゼーションエリアは日常の疲れを癒すだけではなく、そこで過ごす喜びを作り出します。
Foyer - 玄関
床と壁に大谷石を貼った玄関とトップライトから差し込む光の表情が印象的な意匠階段。玄関には使い勝手の良い大容量の収納を設け、また長い廊下は写真等を飾ることの出来るギャラリーとして機能させる等、空間を有効利用させています。
Japanese room - 和室
客間としても機能する和室は中庭に面し、そこに植えられたシンボルツリーから季節の表情を感じる事が出来ます。
Master bedroom - 主寝室
大容量のクローゼットとドレッサーを設置した主寝室。共働きの忙しい朝をスムーズに動ける様、動線を考え設計を行いました。また主寝室前に配置した外部からの視線を遮るスクリーン・ウォールは、プロジェクターにより映画やゲームを楽しむ事が可能となっています。
Child room - 子供部屋
2つに分割する事が可能な子供部屋。南面にウッドデッキを設置させる等、ライフステージに合わせて変化出来る可変性を持たせています。
Wash room - ウォッシュルーム
バス・洗面・トイレをコンパクトにまとめた使い易いウォッシュルーム。どの空間も中庭に面し、開放感や季節を味わう事が出来ます。
Deck garden - 中庭
和室や浴室とデッキで繋がったシンボルツリーのある中庭。中庭は季節感を演出する他、洗濯物を外に見せずに干す事が出来る等、様々な用途に使えます。
Car port - カーボート
雨の日も問題なく車の乗り降りが可能なカーポート。カーポートにはタイヤやアウトドア用品等を収納出来る大容量の収納も設置しています。
Floatation Area - フローテーションエリア
リビング、ダイニング・キッチンと、家族が団欒する空間を1つにまとめたフローテーションエリア。約3mもの天井と24畳の大空間は、遠くの景色が見渡せる大きな開口と2階という高さにより、まるで浮いているかの様な浮遊感を感じる事が出来ます。
Living dining kitchen - リビング・ダイニング・キッチン
ダイニング・キッチンはオーダーメイドキッチンとダイニングテーブルとの位置を考え設計を行っています。リビングは不要な際に収納出来るAVボードや家での仕事や子供の宿題等、家族と触れ合いながら全員で使えるホームオフィス等、様々な機能を持たせています。
Balcony - バルコニー
中庭に面する様、配置されたバルコニー。1階とのコミュニケーションが取れるだけではなく、生ゴミ等の不要物も一時的に保管出来る収納ボックスを設置する等、様々な用途に使えます。
所在地/栃木県下野市
仕様用途/専用住宅
家族構成/1世帯
構造/木造在来工法/2階建
延床面積/127.52u [ 38.4坪 ]
1階面積/80.32u [ 24.2坪 ]
2階面積/47.20u [ 14.2坪 ]
カーポート/20.70u [ 6.2坪 ]
中庭/7.45u [ 2.3坪 ]
バルコニー/4.14u [ 1.3坪 ]