ほんの少し前には物が溢れ、不自由の無かった暮らしが
一瞬の内に消えてしまうことを目の当たりにし
生き方や暮らし方について考える時間が増えたと
耳にする様になりました。
これまで忘れかけていた大切なことを思い出した今
かけがえの無い時間をどの様に生きて行くかが問われています。
その問いに対し、デザインが出来る事は何なのか_。
私たち那須倶楽部は、「今を私らしく生きる。」という強い意思を
持つ方たちと共に新しい標準となりえる暮らし方を探して行きます。
「小さな家」というすまいづくりが広がりを見せ始めています。
自分たちのライフスタイルをもう一度見つめ直し、
本当に必要なものを考え、選択することにより余分をそぎ落としたすまい ―。
「小さな家」は大量にものを消費し所有していた生活をあらため、
自分らしい身の丈にあった豊かさを積極的に選び取り、
何を大切にして生きて行くかを明確にして行く、これからの暮らしに求められる
”新しいすまいのかたち“かもしれません。
住まいは広ければよいものではありません。限られた予算で良質な住宅を手に入れる為には、
広さをそぎ落とし仕様を高めるという選択肢もあるはずです。
材料を吟味し、創意工夫をし、適正なコストですまいづくりを行うのが「新しい小さな家」です。私たち那須倶楽部では、「新しい小さな家」での標準を4人家族/30数坪程度と考えています。
すまいは数十年の時を過ごす大切な場所です。
この事から、すまいには一時の輝きだけを持つのではなく、アンティーク・ファニチュアの様に
色あせず、時と共に味わいが深くなる「時間仕上げ」に耐えうる素材選びが重要です。
同様にプランも家族のライフステージの変化に対応する柔軟な可変性と、
いつまでも居心地の良さを保つ秀逸な空間作りが大切です。
「新しい小さな家」は、時間と共に愛着の深まる材料で作られた、
プランニングが良くなされた住まいです。
無駄とこだわりは同じ意味ではありません。住む人にとって何が本当に必要かを理解し、
すまいづくりを行う事が大切です。
必要の無いものをそぎ落とし、生活を豊かにしてくれるものを積極的に取り入れるという合理性は、筋肉質の「小さな家」に必要な要素です。
贅を凝らした豪邸であっても品の無い家がある一方、
小さくシンプルでも品格のある住まいがあります。
良い住まいとは面積では測れない豊かな空間を持っています。
「新しい小さな家」は、限られた空間から個々が求める豊かさを最大限引き出しながら、
凛とした空気感を持つ、小さなジュエルの様な住まいです。
人がすまいに求める要素は、実はそんなに多くありません。
たべる・くつろぐ・ねむるこの三つを基に、それぞれの生活に必要なものを加えるのみです。
良いすまいとは、人が暮らしに求める要素が美しいことであり、
その美しさは住む人の想いや暮らし方に由来し、人生を豊かに育ててゆくものです。
普通のすまいには無い美しいすまいだけが持つ、何か特別なもの。
私たち那須倶楽部はこの特別なものを更に特別にする為、
Arts & Crafts Today.
というコンセプトで次のステージへと進んでいます。
"The light and textures of a space can be work of art."
- John Pawson
「光と空間との関係性はアートになりえる。」
英国の建築家ジョン・ポーソンは空間における光と素材の関係についてこの様に述べています。
例えば晴れの日と雨の日では気分が違う様、光は日常の中で人の心に様々な影響を与えます。
また、素足で歩く床の感覚や木目の美しさ等、素材が持つ質感も日常を豊かにしてくれる様々な力を持っています。
那須倶楽部では光や素材の持つ力を引出し、佇まいの美しいすまいをつくります。
「古典には優れたモダンが隠れている。」
- Kaare Klint
モダンデニッシュデザインの礎を築いたコーア・クリントは歴史上の優れたデザインから美しさや合理性を見出し、それをその時代に適合させるリ・デザインを考案し、多くのデザイナーに影響を与えました。
那須倶楽部では名作と呼べる様々な住宅からデザインを抽出し、現代の生活に合わせてリ・デザインを行い、時代を経ても魅力を失うことの無いデザインの強度を持つ美しいすまいをつくります。
「建築とは詩のようなものである。単なる飾りにすぎない装飾は、全て過剰なものである。建築には己がプロポーションの美と巧みな配置の選択があればそれで十分である。」
- J. F. Blondel
現在、日本の住宅の多くは意味の無い装飾や本物ではない代用品の建材等、過剰や雑多なものにより構成されています。
かつて、日本には詩の様な美しい韻律を持つすまいが数多くありました。
美しい詩の様な品格のあるすまい-。
那須倶楽部では住む人が心地良くも凛とする、品格のある美しい住まいをつくります。
"Si le bonheur exterieur n'est que hasard,
le bonheur interieur tu dois le construire toi-meme."
- Alain
「外的幸福が偶然に過ぎないのに対し、内的幸福はあなた自身が築くものである。」
フランスの哲学者アランによるこの言葉は、幸せとは自らが築くもので外から訪れるのを待つものではないという事を意味しています。
そして、すまいはその幸せをつくり出す器の様なものであり、家族と喜びも悲しみも分かち合う場所です。
現代のすまいづくりはあまりにも物としての性能ばかりに関心が集まり、本来の理由である「日常の幸福」をなおざりにしています。
那須倶楽部では人生と調和し、そこに住むという喜びに溢れた美しいすまいをつくります。