「日々の生活の中で起こる小さな事を一つ一つ気に留めながら生きる事。
それが人生で一番大切な事だから。」
ある映画監督が自身の作品で最も伝えたかった事について聞かれた時の言葉です。
窓から差込む光や流れる風
そこにしかない色や匂い
大切な人たちと過ごした時間_
日常にある、些細な出来事を大切に思わせてくれるすまいは
人生を必ず豊かにしてくれるはずです。
この「作品」は美しい映画の様に心に残る情景をつくりだす空間として
デザインを行なっています。
・光と風のかたち / 敷地や周辺環境から窓の位置や大きさ、かたちにこだわりました。光の移ろいや風の流れ方等、時間や季節によって空間の表情が大きく変化するすまいです。
・眺めと景色 / 住宅地にあるプライバシーのない庭ではなく、室内の“ルームスケープ”を重視したすまいです。スキップフロアや吹抜けがつくり出す眺めは居る場所によって様々な“景色”を作り出します。
・コンサートホール / コンサートホールのあるすまいです。開放的な空間の中で皆で楽しみながら聴く音楽は、人生の喜びを感じる瞬間であることでしょう。
・階段を楽しむ / 階段に座って本を読む_。海外では良く見かける光景ですが、日本のすまいではあまり現実的ではないかもしれません。ここには上り下りするだけではない理想の階段があり、例えばお茶を飲みながら本を読むといった楽しみ方も実現可能です。
・家具職人の手仕事 / 日々何気なく触れる手摺や扉。使い易いように作られたキッチン等、かたち、色、感触、音、香り、全てが自分だけの為に生み出されたものを所有することは大きな喜びとなります。
・素材の表情 / 大雪山の枯れ木を剥いだ突板。床暖房対応のオークフローリング。テーブル10数台分のアッシュを使った枠等の部材。厚みのある真鍮を削り出して製作したオリジナルのスイッチプレート等、このすまいだけが持つ質感があります。
・居心地の良い場所 / 高いところ、低いところ、日のあたる場所、影のある場所、人の集まる空間、一人でいられる空間等、3つのフロアレベルを組合わせたこのすまいは住む人それぞれの居心地の良い場所があります。
・空中庭園 / 庭のかたちはひとつではありません、内と外を曖昧にする庭を高い場所に設けると、くらしは大きく変わります。
・昼の表情、夜の表情 / 光は人の心に大きく作用し、くらしに豊かさをもたらす大切な要素です。ここには昼と夜、表情が異なる美しい光があります。
・小さな旅 / 「我が家が一番。」家族を持つ人にとって理想であるこの言葉は、私たち作り手にとっても理想です。家路から我が家に戻り、
玄関の扉を開ける少しの時間を楽しみにしてもらいたいと考え、玄関までのアプローチをデザインしました。ほんの少し距離のあるこのアプローチは、玄関に入るまでに一日の終わりを感じられる小さな旅となればと考えています。
所在地/栃木県宇都宮市
仕様用途/専用住宅
家族構成/1世帯
床 面 積 Total / 合計面積:206.67u[62.6坪]
各階面積 First Floor / 1階面積:41.56u[12.6坪]
Second Floor / 2階面積:127.53u[38.6坪]
Garage / ガレージ: 37.58u[11.4坪]
そ の 他 Veranda / ベランダ:14.49u[4.4坪]